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母の声のこと

by oyatsutakiko

母は声がでかい。

普段はさほどでないが、びっくりした時や興奮したときは要注意だ。
ご飯時などタイムリーにテレビ中継するスポーツなどを一緒に見ることになった時は、それなりの覚悟が必要である。バレーボール、相撲、高校野球などが MAX音量になりやすい。

「あららららっ!!!!」

「ほれっ!そこっ!」

「あーーーーーっ…よしっっっ!!!!」

短くもデカイ砲がズドーンズドーンと放たれるようだ。

余談だが、父の方はファインプレーやギリギリでの攻防のたびに、

「そうです!そうです。」

「そう!そこで切りかえてぇ!」

「おぉ!地球をかっぽじったな」

などと若干説教臭い。


最近は、テレビスポーツ観戦もなかなか一緒にできなくなってしまったが、
実家に帰った時は、朝一番がいちばんの要注意タイムである。

実家に帰ると、さまざま食べ物や飲み物を用意してくれたり、布団の準備などをしてくれる。
せっかくだから、ゆっくり休みなさいとも言ってくれる。
お言葉に甘えて、だいぶゆっくりさせてもらう。

彼女の朝は早い。
5時にはすっきりと起きており、犬の散歩やご飯などを済ませて7時過ぎに家に戻る。

「ただいま〜。今日はいいお天気よぉ〜。新聞読む?」
から始まり、暑い時は汗びっしょりだの、寒い時は風が冷たいだの、彼女の体感の話からどんどんとおしゃべりが繰り広げられる。

お言葉に甘えてゆっくりと寝かせてもらい、彼女が帰ってきた時刻にはまだこちらは寝ぼけ眼である。それでも、いろいろと準備してくれる心に報いる為には、たとえ起きていない頭であったとしても受け答えに最善の努力をしなければならない。本人はしゃべるだけしゃべり、自分の予定を告げるとさっさと支度をしてババンとドアを閉め行動開始である。

そんな母の様子を家に戻って娘に話すと、私も同じだと言う。

どうやら、娘的には、朝おはよう〜と起きてきた時に私が話しかける質問等が、

「ビーム」

にしか感じないのだそうだ。そんなんいっぺんに言われても無理、とケンモホロロなのである。

たしかに、起きぬけのコンディションと起きてから2時間ほどのコンディションではだいぶ違うだろう。
言わせてもらえば、娘の休みの日などの出かける前の支度時は、ちょうど居間でパソコンなどを打っている私の横を、自分の部屋、洗面所とをドドバタ往復しつつ、やれ今日着ていく服のこれがないだの、髪の毛がどうのと、まるで、

戦車が往復しながら爆弾を、ちゅど〜ん ちゅど〜ん

と弧を描いて撒き散らしている様にしか感じないのだ。



母と私はよく電話で声がよく似ていると間違われ、そして、娘と私もよく間違われる。

声質はともかく、話し方も遺伝するのだろうか。



oyatsutakiko
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