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父との思い出(自転車編)

by oyatsutakiko

先日息子が、自転車での帰宅時に、後ろからきたパトカーのおまわりさんにパトカーのマイクから、

「並列走行はやめてくださーい」

って注意されちゃったよ、と話を聞いた。

どうやら友達と一緒に走っているうちに斜め前、斜め後ろになり、並列に近くなったところをパトカーに見つかったらしい。

んだんか〜、注意されちゃったか、と笑いながら話を聞くうちに、そういえばと、私も小さい頃のパトカーに乗っているおまわりさんとのやりとりを思い出した。

前々回で母のことを少し書いたので、父のことも書いてみようと思う。


小学校、たぶん1年生くらいの出来事。

その日は父の納品先のテーラーさんに、自転車の後ろに乗って一緒に向かっていた。

父の自転車には小さい頃から乗り慣れて、いや、乗せられ慣れていて、着脱できる幼児用の前かごではもう小さくなり、後ろの荷台にまたがって、父の腰ベルトにつかまって乗るのにもだんだん慣れてきた頃だった。

ふだんは歩いて通う通学路を、大人がこぐ自転車はぐんぐん進む。

楽しい。

父も楽しそうだ。


ぐんぐん進みながら父が、

「どうだ?立ってみるか?」

と言う。

「え?荷台に立ってもいいの?」
「いいよ、肩につかまってな、立ってみろ?」

走りながら父が言った。

おそるおそる父の肩をつかみ、ややゆれる荷台に足を乗せ、よいっ、と立つ。


前の視界がひらける。

「おー!たかーい!」

「お〜、そうか(^^)違って見えるかい?」

「うん!」

立ち乗りのバランスにも慣れ、ゴキゲンだ。

おそるおそる後ろもふりむいてみる。いつもとは違う速さと視界の高さにおおう〜✨となった。と、後ろからパトカーがやって来た。

「あ、パトカーだよお父さん、おまわりさ〜ん!」

超ゴキゲンでパトカーに乗っているお巡りさんに、そっくり返って笑顔で手を振った。


パトカーの助手席に乗っているお巡りさんが、笑いたいけど笑っちゃいけないしかめた顔で、手のひらを下に向けてクイッ、クイッとした。

「なんかクイッ、クイッて合図してる」

「ん?」

父も運転しながら振り向く。

「あーーー!座れってことだ(笑)」

「あ!!」


びっくりしてストンと座ったのを見届けて、パトカーは私たちを追い抜き、行ってしまった。

見えなくなってからきっとお巡りさんたち、笑ってたかな。

なんとものどかな時代であった。

ちなみにこの間の出来事中、父の自転車はシャコシャコと走り続け、一度も止まっていないのである。



oyatsutakiko
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