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雪の峠道

by oyatsutakiko

もう退院、復帰しているが、先日の主人の手術日はまあまあの雪だった。

主人の入院先は峠を1つ越えた先にある。通りなれている峠とはいえ、コンスタントに降り続いていたので、これはゆっくり時間を取っていかねばと一応2時間の余裕を見て出発した。

わさわさ降っているものの風はさほどでない。マイ愛車で雪を踏みしめるように、市街地から街の外れへ、そして峠へと走る。

なだらかな道から、だんだんと勾配も急になってくる長い上り坂を、前のトラックの姿を目印にするように走る。


登るにつれて、降雪も激しくなっている様に感じる。積もった雪に足を取られるのを感じつつ、トラックに歩調を合わせて走る。トラックの何台か前に除雪車。かなりゆっくりである。身軽な普通車が除雪車を追い越して走り去っていく。前のトラックも追い越したそうにしながら走っている。速度が遅くなったせいか、気が付いたら後ろは結構な渋滞になっていた。

走っていくと坂の途中でスタックして止まっている大型車がいる。前のトラックはそれをよけて走る。たいへんだろうなぁと思いつつちょっと申し訳ない気持ちで私もトラックの後に続く。

そして前のトラックはとうとう除雪車を追い越した。そのタイミングで私も後に続いて除雪車を追い越した。




除雪車のまだ通っていない坂道は、思ったよりも足を取られる感じだ。運転に集中集中…と、吸い込まれるように前のトラックの後輪部分に目を奪われる。かなり滑っている。お尻を振っている。だ、だいじょうぶ?!と思うと同時にとうとう登りカーブで後輪を雪に取られ、止まってしまった。

トラックの運転手さんはバック、ドライブを交互に入れて脱出を図るもトラックの重みでズルズルと滑り雪の壁に左後ろがささってしまい、とうとうどうにも動かなくなった。私もその後ろで止まっている。後ろから抜いた除雪車が迫ってくる。

除雪車は慣れたもので、私をうまくよけると前のトラックの運転手さんと二言三言ことばを交わすと、除雪作業に邁進するかのように動き出した。私も脱出…と、やばい、止まったがために足を取られてうまく動かない。後続の小型トラックが私と止まったトラックと除雪車を追い抜いていった。ひー!と思いながらなんとか動き出し、その小型トラックの後に必死に食らいついて走った。必然的にまた除雪車を追い越すことになった。


そしてなんと。
驚くべきことにその小型トラックもさっきのトラックと同じ様にお尻を振り始めたのである。これやばいやつぜったいやばいやつ、と思ってる間にその小型トラックも今度は右の壁にぶつかって動かなくなった。
マジかこれ。

RPGならリセットで最初からやり直せるだろう。だがこれは現実世界である。そして加速が自慢のマイ愛車は、残念ながら2駆である。止まったが為にまたモガモガともがいている私をうまくよけて除雪車と今度は大型トラックが私を追い越していった。



マイ愛車はスタック寸前なんとかセーフで動き出し、除雪車、大型トラックの後ろで、今度は除雪車を追い越さずにそろそろとトンネルまで走った。時速15km。15kmだって追い越さない。追い越しませんとも。
さすがに3度も現場を見れば学習する。

トンネル前でその除雪車は役割を終えたようにパーキングに入り、大型トラックの運転手さんとスチャっと挨拶を交わしていた。

トンネルから先は下り坂、雪もこちらよりは少なめだ。
大型トラックの後をひたすら追いかけ、なんとか無事に峠越えを済ませることができた。
病院へは、予定よりも10分ほど遅れて着いた。

手術を執刀する先生や患者である主人のほうが大仕事なのだが、なんだかこの日はものすごく働いたような気がした。いやぁもうなんとも、雪の威力をしっかりと味わってしまった。おかげですっかりビビリになり、雪道めちゃくちゃ安全運転励行中なのである。


oyatsutakiko
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